学生サポート資金って何?JICUF担当職員インタビュー
1月21日に、JICUF学生サポート資金の2019年春季応募期間が開始します。
学生のための助成金であるこのプログラムが2016年に設立されて以来、JICUFはICUの学部生・大学院生の多様なプロジェクトを支援してきました。
しかし、「学生のための助成金」という概念そのものに馴染みのない学生も多く、奨学金と混同されることもあります。何のために、誰が、いくら資金を申請できるのか、よく分からないという声があるため、主な担当者であるJICUFプログラム・マネージャーのフェルナンド・ロハスに「よくある質問」に答えてもらいました。
Q:JICUF学生サポート資金とは何ですか?また、その目的は?
ICU生は好奇心旺盛で、幅広い分野に関心と情熱を持っています。2016年に設立されたこの制度を通じて、JICUFは学生が興味と熱意を持ち、かつJICUFの使命に合致するプロジェクトを支援しています。
学生サポート資金は、ICU生が革新的で独創性のあるプロジェクトを実施するために必要な資金をオンラインで申請する制度です。学生トラベル資金と学生アクティビティ資金という2つのカテゴリーがあり、募集は毎年春と秋の2回行われています。春の申請期間は1月下旬から4月初旬、秋は8月下旬から11月初旬です。
JICUFは毎年およそ500万円の予算を学生サポート資金に割り当てています。過去3年間、45件の学生プロジェクトに合計1,150万円ほどの資金を交付してきました。プロジェクト1件当たりの平均受賞額は約25万5千円です。
Q:JICUFは学生サポート資金を使ってどのようなプロジェクトを支援しているのですか?
JICUFは多様なプロジェクトを支援していますが、プロジェクトは一定の条件を満たす必要があります。
まず、プロジェクトは以下のテーマの最低1つに該当する必要があります。
国際性
海外旅行を含むもの、国際問題に焦点を当てたもの、または海外の協力者が参加するものなど。
キリスト教精神
他者への思いやり、社会奉仕、多様性の受容などのキリスト教の価値観を考察、実践、または表現するもの。たとえば、社会奉仕活動、信仰に基づく活動、社会的弱者や貧困者に焦点を当てた活動など。
学問性
研究または教育の要素を含むもの、またはICUコミュニティが直面する問題に対処するもの。たとえば、学生の専攻に関連する研究旅行、ICUが主催する学術イベント、ICUの学生と教職員を資するワークショップなど。
さらに、学生サポート資金には、学生トラベル資金と学生アクティビティ資金の2つのカテゴリーがあり、学生はどちらかを選択する必要があります。
学生トラベル資金は、その名前の通り、旅行を含むプロジェクトのための資金です。学生は国内外の旅行に対するサポートを申請できます。ただし、学生トラベル資金プロジェクトは、研究またはボランティア活動のどちらかを目的としなければなりません。研究プロジェクトは、学部生の場合は申請者の専攻または副専攻に関連するもの、大学院生の場合は研究分野に関連するものでなければなりません。ボランティア活動プロジェクトは社会奉仕の要素を含むものでなければなりません。
学生アクティビティ資金は、学生主催のイベントや活動をサポートするためのものです。このカテゴリーのプロジェクトは、ICUコミュニティを資するもの、ICUコミュニティにとって関心が高いものでなければなりません。
過去3年間、私たちはICU生が提案するプロジェクトの質の高さに感心させられてきました。学生トラベル資金を通じて、卒論研究、社会奉仕活動、社会的起業などのために学生が海外に渡航する支援をしてきました。たとえば、ネパールで若者のための短期集中型コーディングスクールを開設するプロジェクトを支援した他、長野で縄文時代の黒曜石の人造物を調査する研究旅行にも資金提供しました。また、学生アクティビティ資金を通じては、Spanish Speaking Society(SSS)、モダンダンス部、TEDxICU、劇団虹、ICUディベート部などが主催するイベントを支援してきました。
Q:申請できる資金額に上限はありますか?
支援金額には上限も下限もありません。これまでに支援したプロジェクトの予算は3万円程度から、80万円のものまでありました。入念に計画され、かつ実施可能なプロジェクトであれば、あらゆる規模のものを支援する用意があります。
Q:支援対象はグループプロジェクトのみですか?
学生サークル、クラブ、非公式のグループでも申請できますが、個人での申請も可能です。たとえば、卒論研究のために学生トラベル資金を申請する学生の多くは、個人で申請しています。個人で申請した場合、審査上不利になることは一切ありません。
Q:採用されやすいのはどのような提案書ですか?
JICUFは、学生が自ら企画・実施する独創的なプロジェクトを支援したいと考えています。既存のプロジェクトやアクティビティであっても、発展させたり、新しい要素を追加する場合は、サポートしています。ただし、既存のプログラムへの参加費の支払いのみを求める申請は受け付けていません。ICU生には、できるだけオリジナルなアイデアを提案するよう奨励したいと考えています。
プロジェクトには、明確な目的と、現実的な計画を伴わなければなりません。今まで提出された提案の中には、アイデアとしては優れているものの、構成の改善が必要なものもありました。受賞したプロジェクトは、提案書になぜそのプロジェクトを実施したいかだけでなく、実施する具体的な方法が明確に説明されていました。
Q:提案書を書くに当たって、学生が犯しやすいミスは何ですか?優れた提案書を作成するためのアドバイスはありますか?
プロジェクト提案書を書くには、一定のスキルが必要です。仮説を証明する学術論文とは性質が異なり、助成金の申請では、しっかりとした活動計画を提示しなければなりません。プロジェクトの目標・動機も重要ですが、提案書の中心は、プロジェクトを効果的に実施するための具体的なステップです。
申請を検討しているICU生には、アイデアを思いついたらまずは私に連絡してほしいと伝えています。学生と直接話し合い、一緒にプロジェクトについて考え、活動計画にアドバイスしたり、改善の余地のある部分を指摘しています。
また学生には、提案書を提出する前に第三者に読んでもらうことを勧めています。提案書は英語で提出する必要があるため、英語を母国語としない学生や、文章力に自信のない学生には特に重要なステップです。英語のクオリティで提案書を却下することはありませんが、計画の詳細が明確に伝わる文章であることは必須です。
最後に、申請者の中には、2回目、3回目の試みでやっと資金を獲得する人たちもいます。申請が通らなかった場合、申請者と直接連絡をとって、再申請の準備を手伝うこともあります。学生サポート資金はあくまでもICU生のためのものであり、私たちの目標は、学生の皆さんと協力しつつ、各プロジェクトを成功に導くことです。
2019年春期申請期間は1月21日(月)から2月25日(月)です。多くのご応募があることを願っています!