アラムナイ・ストーリーズ第19回 – ティム・ワイナントさん第4部
1960年代に学部交換留学生と研究生として二度に渡ってICUに留学し、1990年代にICUに勤務したティム・ワイナントさんの「アラムナイ・ストーリー」の最終部です。第1部、第2部、第3部も合わせてお楽しみください。
ICUと国境を越えた友情
ICUで学ぶことの醍醐味の一つは、その後の人生に深い影響を与える友情や人間関係を培うことでしょう。寮生活を共にした仲間との強い絆については、すでに言及しました。私が初めてICUのキャンパスを訪れた日から、すでに60年近くが経ちましたが、当時の友人たちとは海を越えて連絡を取り続け、日本を訪れる度に再会を果たしています。
著名なICUの卒業生である土屋隆一さんと石塚雅彦さんは、長年の友人です。土屋さんはICU同窓会の活動に深く関わり、今もICUの評議員を務めています。石塚さんは国際ジャーナリストで、The Nikkei Weeklyの編集長を務めました。彼らとの国際政治を巡る議論は、常に興味深く、多くを学ばされます。卒業以来タイに住んでいる浅井重朗さんとも、長年交流を続けています。
1990年代に学長補佐・国際部長としてICUに勤務した時期には、昔の寮の仲間と頻繁に会い、常に何かしらの同窓生の集まりがありました。一方、アメリカで過ごした時期には、友人が訪ねてくることがよくありました。ICUの常務理事を務めた故白石隼男さんは、やはり同窓生の美智子夫人と共に何度も私を訪ねてくれ、彼らがニューヨークに滞在していた時には、ニューヨークにいた私の家族と大変親しくなりました。故古村浩三さんはニューヨークの私の家を預かってくれたこともあります。寮のルームメートで、のちにICU高校の教師となった今村成男さんは、数年前にご家族とフロリダを訪れ、一緒にゆっくり地域を探索する機会に恵まれました。有馬利男さんは、忙しい仕事の合間を縫って会いにきてくれ、フロリダ州デルレイビーチのモリカミ博物館と日本庭園を一緒に訪れて、「サンシャイン・ステート」で日本文化を満喫しました。寮の仲間だった徳岡誠一郎さんと村瀬信也さんとは、同時期にボストンに滞在しました。ICUで私の秘書であった池澤直美さんをはじめ、何名かの元職員も訪ねてきてくれたことがあります。
ICUでは、先生方と知り合う機会もたくさんありました。私はトロイヤー先生ご夫妻や、フィラデルフィア郊外におられた元客員教授のアイラ・リード先生のお宅を頻繁に訪れました。また、カリフォルニアでは、ハラム・ショロック元副学長や、ドナルド・ワース教授にも会いに行きました。JICUFが主催した会議やイベントには、多くの同窓生や元教員が集まりました。ICUでの経験は、とりわけ留学生にとってユニークなものですが、日本人学生にとっても、様々な形で深い影響を与えてきました。海外からの学生にとって、日本の素晴らしい文化や社会に触れることの価値は計り知れません。多様な背景を持つ優れた教員や学生と触れ合うことは、特別な経験です。高度な教育を提供し、文化豊かなICUは、世界で特別な位置を占め、その門をくぐった者に、人生が変わるような影響を与えます。