アラムナイ・ストーリーズ 第2回 – 大沢泉さん
今月の「アラムナイ・ストーリー」は、ICU同窓会ニューヨーク支部代表の大沢泉さんです。大沢さんは2004年の卒業生で、福島県郡山市の出身です。現在はニュージャージー州のラマポ・カレッジに勤務されています。
大沢泉さん
「1月の冬の最中の時期ですが、私にとってICUとの最初の強烈な出会いは、まだ受験生だった真夏のオープンキャンパスでした。セミの声が大ボリュームで頭の上から降りかかってくる自然いっぱいの広大なキャンパスを歩き回り、模擬授業でリベラルアーツの入口を垣間見て、『ここなら4年間生きていける、ここで大学生活を送りたい』との思いを強くした日のことは、アメリカに移り住んで13年になる今でも鮮明に記憶に残っています。
その決心は今振り返っても全く間違いのない『大正解』で、学問も課外活動も交換留学も寮生活もすべて含めた、ICUがもたらしたすべての機会が大切な土台となって今の自分がある、と日々感じています。当時できたばかりのグローバルハウスに第1期生として入寮して世界各地からの留学生と生活をした経験は今でもかけがえのない思い出であり、また、ペンシルヴェニア大学で1年間、交換留学生活を送ったことは人生における大きな転換点となりました。リベラルアーツ教育を最大限活用し、専攻の国際関係にとどまらず、平和学、アメリカ文学、生物学、写真まで多種多様なクラスを受講し、知的な刺激に満ち溢れた当時の授業の記憶は長年経過した今でも時々ふとした時に蘇ります。そういった私の好奇心をすべて受け入れてくれる環境がICUには整っていたのだな、と改めて認識しています。CMSオーケストラでの活動や学生会議・シンポジウムへの参加、国際サマーキャンプでのボランティアという場を通して多様なバックグラウンドを持つ友人がたくさんできたことも貴重な思い出です。
留学、異文化間交流、国際化、大学教育とその運営というICU入学以前から強い関心を持っていた分野へは4年間の大学生活の中でさらなる興味が深まり、卒業後、アメリカに渡ってからの自分のキャリアへとつながることになりました。自分が経験した充実した留学生活を後続の世代に繋ぎ、分かち合っていきたい、という思いからニュージャージー州北部の公立のリベラルアーツカレッジの国際教育センターに勤め、9年が経とうとしています。学生総数約6000人の大学で、アメリカ人学生が海外へと留学するプログラムのサポートと、海外からやってくる留学生約100人のサポートをする仕事をしています。毎日の仕事で様々な対応や処置を迫られるとき、ICU在学中に自分の身で体験した学問・生活・文化面における数々の局面を判断材料として参考にすることもあり、長期的に持続するICUパワーは時と場所を問わずに通用するものだ、と思っています。
また、ICU在学中、これがやりたい、これをもっと知りたいという好奇心に教授ばかりでなく、各部署の職員の方々までが毎回背中を押して、様々なアドバイスをしてくださり、必要であれば、この人にコンタクトを取ってみるとよい、というネットワーキングの機会もさりげなく設けてくださったりという、自然な応援体制がまるで当たり前のようにして数々あったことも4年間の大学生活で恵まれていた点だと強く感じています。そして、自分が大学を職場として働く中、また1人の大人として生きていく中で、後続の若者、現役の学生たちにそういう態度で接し、応援していければ、と思っています。
ICU同窓会ニューヨーク支部の活動に関わるようになってからは、ICUという接点を通して世代を越えた、より刺激的な出会いがたくさんもたらされました。そのつながりをより広く有効に活用し、今後もニューヨークにとどまらず、世界各地の同窓会ともアイディアをシェアしながら、卒業生同士だけでなく、現役の学生と同窓生をつなぐ活動もしていきたいと思っています。」
大沢さん、同窓会NY支部長としてICUコミュニティに貢献してくださり、ありがとうございます!
NY支部の次のイベントは、1月18日(木)の新年会です。皆様、ぜひお越しください。