エグゼクティブ・ディレクターからのメッセージ
親愛なる皆様、
14歳のとき、東八道路と人見街道の交差点にあるガソリンスタンド・JOMOの向かい側、南門からキャンパスに入ったのが、私のICUとの初めての出会いでした。そのときはまだ自転車に乗ったままゲートを通り抜けることができなかったので、いったん自転車を降りてくぐり戸を抜け、どこまでも続く木々のトンネルに出ました。ICUを初めて訪れる人の多くがそうであるように、私が一番驚いたのは、空気が澄んでいることでした。きれいな空気を貪るように何度か深呼吸をして、再び自転車にまたがり、キャンパス内に住む友人のところに向かいました。友人は、ICUの教授の息子でした。
自然に浄化されたキャンパスの空気は、ICUのリベラル・アーツ教育にふさわしい象徴です。私たちが呼吸する空気のように、人生にも自然のバランスが必要で、リベラル・アーツはこのバランスに必要な知識と経験を学生に与えてくれるからです。私の母校、ボウディン大学のウィリアム・デウィット・ハイド第7代学長は、リベラル・アーツ教育の目標を次のように表現しています。
「どんな土地や時代にも深い造詣を持ち、自然に親しみ、芸術を友と呼べること。世界の図書館の鍵をポケットにしまい、いつでも資料の宝庫に手が伸ばせると知って務めを果たせること。大勢の友を作ること−やがてあらゆる世界のリーダーとして羽ばたいていく友を。物事に熱中して我を忘れ、共通の目標に向かって他者と協力すること。これこそが、我が大学が提供できる、人生最高の四年間です。」
ハイドのビジョンを真摯に受け止めると、JICUFとICUに与えられた責務は、極めて重大だといえます。
ニューヨーク市に拠点を置くJICUFは、65年以上にわたり、ICUと密接に協力し合い、キャンパスの教育施設、教員、学生、職員及び卒業生をサポートしてきました。両者のパートナーシップは数多くの段階を踏み、今も発展し続けています。JICUFの新エグセクティブ・ディレクターとして、ICUの数々の新しいイニシアチブに応じるばかりでなく、その成果を踏まえてさらなる発展に寄与できることを切に願っています。すでにJICUFの機能の戦略的見直しに取り組んでおり、この作業を年末まで続ける予定です。最終的には、ICUのコミュニティのニーズによりよく対応することを目指しています。
JICUFの新しい方向性については、一つ一つ確定した時点で詳細をご紹介します。いつでも皆様からのご連絡をお待ちしています。ニューヨーク市はもちろん、他の地でも、ICUの卒業生や仲間と出会えることは、常に大きな喜びです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
ポール・ヘイスティングス