コモン・グッド基金学生プロジェクト:初年度の助成金受賞者の発表
昨年春、ICUのサービス・ラーニング・センター(SLC)とJICUFは共同でコモン・グッド基金 (CGG)学生プロジェクトを開始しました。本プロジェクトは、ICU周辺で活動する非営利団体に対し、JICUFが提供する100万円の資金を分配するため、ICUの学部生15名に助成金事業の企画から運営を任せる1年間のプロジェクトです。その目的は、ICU生が地域社会との関係を強化し、助成金事業の運営、コミュニケーションやチームワーク、リーダーシップなどの実践的なスキルを身につけることです。今月初旬、SLCとJICUFのスタッフはCGG学生委員会と顔を合わせ、作業の進捗報告を受けました。
学生委員のニコ・コレアさん(教養学部3年)はこの一年を次のように振り返りました。「CGGプロジェクトは今年度発足したばかりだったので、自分たちがプロジェクトの基礎づくりをするのだという強い意識があったと思います。助成金申請の枠組みから学生委員会の日々の活動に至るまで、あらゆることについて一から話し合う必要がありました。」また、新山繕章(にいやま よしあき)さん(教養学部4年)は、「ロックダウンの最中、話し合いのために委員で集まるなどの作業は特に大変でした。」と話しました。
コロナ禍の厳しい状況下にも拘らず、学生委員会は見事に独自の助成金プロジェクトを企画しました。学生たちは、CGGプロジェクトの初年度に地域の団体と幅広いつながりを構築することを期待して、5団体に均等に資金を分配することを決定しました。助成金の申請を呼びかけながら地域の非営利団体との関係づくりに努め、メールで諸団体と連絡をとって申請書に記入漏れがないよう、情報収集に念を入れました。また、状況が許す限り、諸団体の方々と直接顔を合わせるようにしました。
学生委員会が地域の非営利団体用に作成した資料
学生委員会が最も苦労したのは、助成金申請書の評価基準の作成でした。ほとんどの委員が申請書を評価した経験がなく、各団体の異なる使命や目標を比較するのは難しかったと言います。数週間に及ぶ話し合いとその後の投票を通じて、委員は主に地域の人々や課題、持続可能性、コモン・グッドを重視している団体を支援することで合意しました。さらに、コモン・グッドが最も重要な評価項目であるとの結論に至りました。
先月、学生委員会は以下の団体に助成金を支給することを決定しました。
- ぐーぐーらいぶ – 「情報格差の是正」を目指し、図書館司書を中心とする情報リテラシー・プログラムを運営しています。
- まちなか農家プロジェクト – 「農家さんと消費者の距離を縮める」ことを目指し、三鷹市・武蔵野市の農家を支援しています。
- リードbyアナ – 読み聞かせを通じた子ども向けの英語教育を行っています。
- アフタフ・バーバン – 「子どもから大人に向けたあそび・表現活動」を通して、より豊かな環境と地域社会を作り出すことを目指しています。
今後学生たちは、SNSを通して受賞団体との繋がりを維持し、本プロジェクトの成果を広く伝える方法について話し合う予定です。さらに、1年間のプロジェクトを「卒業」するに当たって、次年度の委員会へのアドバイスをまとめる予定です。学生委員のステファニー・ラミレズさん(教養学部4年)は、委員会内で良好な関係を築くために、次年度の委員にはできるだけ早く集うことを勧めています。 ラミレズさんは、委員同士が仲良くなってから仕事がスムーズにいくようになったと言い、次年度の委員会が全力で作業に取り組むことを期待しています。
JICUFは、初年度の学生委員会の仕事の成果を讃えるとともに、彼らの努力が地域社会にどんな影響を与えるか、楽しみにしています。