Global Link 卒業生インタビュー:齋藤智彰さん・武居結紀子さん
JICUFは2014年から2019年までICUの学部生を対象にしたサマープログロムGlobal Linkを実施しました(2020年はCOVIT-19によるロックダウンのために中止)。Global Linkは学生達が将来のキャリアを考える手助けをすることを目的に、多様なキャリアに触れる機会を学生達に提供しました。JICUFによる選考を経て参加した学生達は7月の上旬から約4週間をニューヨークとワシントンDCで過ごし、ICU卒業生を中心に多数の専門家の協力を得て、オフィス訪問、産業別円卓会議、ボランティア活動、プロフェッショナルスキル・ワークショップなどを体験しました。
今回はGlobal Link参加者のうち、2017年参加の齋藤智彰さんと2019年参加の武居結紀子さんにお話を伺いました。
■齋藤智彰さん:現在PwC Japanにてビジネスコンサルタントとして活躍中
JICUF: Global Linkに応募しようと思ったきっかけをお話しください。
齋藤さん:将来のキャリアを考えるきっかけになると思ったのと、ニューヨーク滞在費の半分も出してくれる費用面が魅力的だったからです。遊びと将来を考える真面目な部分と両方体感できそうで、大学2年の夏休みにぴったりだと思いました。
JICUF: 訪米はGlobal Linkが初めてでしたか?
齋藤さん:高校の頃家族で1週間弱ニューヨークへ旅行に行ったことがありました。街で出会う多くの人が元気でハキハキしており、当時高校生だった自分にとって、そのエネルギーが衝撃だったし、とても自分が好きな空気感でした。グローバルリンクで行った時も同じ印象で、滞在中は常にハッピーでした。高校当時とは違い、ひとりで色々なところを出歩けたので、憧れのエンタメが詰まった街としての印象を追加で持ちました。
JICUF: Global Linkでは様々なプログラムがありましたが、強く印象に残ったプログラムについてお話しください。
齋藤さん:強く印象に残ったプログラムの一つ目はソニー訪問です。オフィスが綺麗で、スパイダーマンはじめ色々な映画アイテムが飾られていたことと、そこで働いているICUアラムナイがいるということにびっくりしました。二つ目はセントラルパーク近くのリッチなアラムナイの方の家庭訪問です。リッチな人はこんなにリッチになれるのかという衝撃と、集まってくださったアラムナイの方の快活さ、寿司を作りに来ていたシェフの方との雑談などが印象的でした。
JICUF: Global Link参加はご自身の将来のビジョン設計にどのような影響を与えましたか?
齋藤さん:一番の学びは、資本主義による貧富の差でした。これは長期滞在しないと分からなかった点だと思います。リッチな人はどこまでもリッチ、一方で貧しい方の地域は非常に荒れているなど、頭で理解していても、実際に滞在して、色々なものを見て、色々な人と会って可視化されて実感が湧きました。資本主義の縮図が見えたことで、自分はどの立場から、どういうスタンスで生きていきたいかを考えるきっかけになり、将来のビジョン設計に影響を与えました。
JICUF: 他にGlobal Linkについて感じたことやご意見があったらお話しください。
齋藤さん:自分は当時一緒に行動する友達があまりいなく、自由時間はほぼひとりで行動していました。ひとり好きなのでかなり楽しかったですが、一方で元々友達同士で来ていた人のグループ行動も少し羨ましく思った記憶があります。自由行動の時間を少し増やし、メンバー同士の交流を深めるための自由行動時間があったら良かったかなと思いました。
JICUF: 最後に今後の抱負やICUの後輩たちにアドバイスがありましたらお聞かせください。
齋藤さん:エンターテインメントコンテンツがより広まり、作り手がよりハッピーになるような社会への貢献ができたらと思っています。世界のエンターテインメントのビジネス面の支援をしていきたいと思っています。ニューヨークのように、街中や電車のホームにもエンタメがある社会が大好きです。後輩の皆さん、JICUFが用意してくれるプログラムや、参加メンバーと共に1ヶ月ニューヨークの空気を体験できるのはとても楽しいと思います!おススメです。
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■武居結紀子さん:英The London School of Economics and Political Science (LSE) にてMSc in Inequalities and Social Science 修士課程在籍、国連大学本部にて対日広報担当。主にイベントやSNSの運営、研究記事の翻訳など広報全般に携わる。
JICUF: Global Linkに応募しようと思ったきっかけをお話しください。
武居さん: 高校1年時にニューヨーク・アイオワ州への2週間短期留学を経験し、もう一度ニューヨークに行きたいと思っていました。また大学に入学してから、日本だけではなく世界での就職、という考え方も持つようになった中で、GLプログラムはニューヨークとDCを拠点に様々な業種、職種の方と交流し、自身の知見を深めることが出来ると思いました。
JICUF: 応募から審査結果が出るまでの間で、何か覚えていることはありますか?
武居さん: 誰よりもこのプログラムに受かりたい!という気持ちが強く、推薦状を書いていただいた笹尾先生にその熱意を伝えていたのを覚えています。(笑)提出した志望理由も複数の人に添削していただいたり、やはり金額面で両親に負担をかけるとも思っていたので、どうしても行きたいと熱弁したのも覚えています。
JICUF: Global Linkでは様々なプログラムがありましたが、強く印象に残ったプログラムについてお話しください。
武居さん: 特に面白かったのは、国際交流基金ニューヨーク支社と、NHKワシントン支局です。その当時私は文化外交に強い関心があり、日本の魅力を世界に発信している国際交流基金の活動はとても興味深かったです。またNHKでは記者の方やディレクターの方の報道への熱意が伝わり、日米間の役割の違いとワシントン支局から伝える報道への自負といったところは鮮明に覚えています。
JICUF:Global Link参加はご自身の将来のビジョン設計にどのような影響を与えましたか?
武居さん: やはり百聞は一見にしかずで、日本の方々が海外で活躍されている、という話は良く聞きますが、どういった苦労を積み重ねてきたのか、どのようなプロセスで今の職に就かれたのか、といった生の声を聞けたことは、漠然としていたイメージの解像度を上げるのに役立ったと思います。また、同じくGLに参加していたメンバー同士での交流も多かったことで、それまで画一的だった将来像に様々な選択が生まれました。今までは自分の中で海外の大学院というのは英語がネイティブじゃないと無理だ、という決めつけがありましたが、参加していたメンバーやお話しさせていただいたアラムナイの方から決してそんなことはないと背中を押していただき、結果として自分の可能性が広がり、現在LSEで修士号取得を目指せていると感じます
JICUF: 他にGlobal Linkについて感じたことやご意見があったらお話しください。
武居さん: 自由時間は充分にあり、研修の合間にニューヨーク、DCそれぞれの観光をする時間もありました。ただやはり私費負担が大きく、財団側からの支援額が増えれば今後参加される方達の負担軽減や参加の意思にもつながるのでは、と感じます。
JICUF: 最後に今後の抱負やICUの後輩たちにアドバイスがありましたらお聞かせください。
武居さん: ICUという自由な環境の中で、日本での就職だけではなく、海外での就職という選択肢が生まれるのは自然な事だと思います。ただ、無知な状態で飛び込むのではなく、世界に広がるネットワークを駆使して様々な働き方を知り、自分の正解を導くことが出来る人は多くはありません。多くの人と出会い、話し、自分の知見を深めることはその第一歩となり、GLプログラムはその最適な場になると思います。
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齋藤さん、武居さん、ありがとうございました!