米国人学生イニシアチブ (USSI) インタビュー : ニコラス・コレアさん
JICUFはICUでの学位取得を目指す米国人学生を増やす試みの一つとして、2018年から2022年までの5年間に渡り、米国人学生イニシアチブ(USSI)を導入しました。USSIは毎年2名の成績優秀な米国人学生を選抜し、4年間学費を全額支給するもので、この夏初めての卒業生2名を送り出し、現在この9月に入学した2名を含む6名が就学中です。今回は2019年にUSSI受給学生としてICUに入学、今年卒業したニコラス・コレアさんにお話を伺いました。
卒業式のニコラスさん
ニコラスさんはカリフォルニア州サンディエゴで生まれ育ち、ICUに入学するまで殆どの時間をサンディエゴで過ごしましたが、子供の頃に母親の祖国である日本に3年程住んでいたとのことです。
JICUF: ICUとUSSIに応募した動機は何ですか?
ニコラスさん: 小学6年生までカリフォルニアの日本語補習校に通ったので、日本語でコミュニケーションを取ることはできましたが、まだまだ向上の余地があると感じていました。そこで、日本語の上達を目指してICUに進学することを決めました。USSIの奨学金は郵便で届いた案内で知り、大学の授業料を免除される素晴らしい機会だと思い応募しました。
JICUF: ICUでは何を学びましたか?
ニコラスさん: 国際関係学を専攻しましたが、社会学、哲学、文学など他の分野の様々な授業も受けました。また、様々な課外活動に参加して日本語を磨きました。
JICUF: どのような課外活動に参加しましたか?
ニコラスさん: 費やした時間と人としての成長の両方の意味において、課外活動は私のICU生活の大きな部分を占めました。入学後まもなくサッカー部(ICUFC)に入部しましたが、週に数回の練習と週末の遠征試合で、かなりの時間を費やしました。私が入部した当時、サッカー部は4部リーグに所属していましたが、在学中にICUFC史上初めて2部リーグに昇格することができました。
また、私はJICUFが後援するCGG(コモン・グッド・グラント)のメンバーでもありました。1年間に渡るこのプロジェクトでは、他14名の学生と協力して、地元の非営利団体に100万円の助成金を割り当てる活動を行いました。私は広報チームの一員として、NPOにプロジェクトの説明をし、助成金の申請を呼びかける役割を担いました。CGGが初めて実施された年だったこともあり、困難もありましたが、日本語でのコミュニケーションとコラボレーションという貴重な経験を得つつ、助成金受賞者4団体を選出することができ、次年度のCGGに向けて基盤を築くこともできました。
この他、JICUFの支援を受けて始まった起業家精神育成クラブ「ENTREP」でイベントマネージャー兼ライターも務め、オンラインイベントの企画や司会進行、記事の翻訳、ミーティングの司会などの経験を積みました。オンラインイベントの1つでは、ゲストスピーカーがインターンシップを提供していたため、そのチャンスを掴んで3ヶ月のインターンシップを行うことができました。
JICUF: ICUでの経験はあなたにどのような影響を与えましたか?また、ICUでの最大の収穫は何ですか?
ニコラスさん: 日本語の能力が著しく向上しました。4年生になって日本語能力試験(JLPT)を受験し、最高レベルであるN1に合格しました。これは間違いなく、ICUのJLPプログラムと先生のおかげです。先生はとても親切で、生徒たちの成長を真剣に考えてくれました。JLPTは読解、文法、語彙、リスニングを評価するテストですが、カジュアルな日本語会話能力も向上しました。これは、さまざまな課外活動に参加することによって周囲の人々から学ぶことができた結果だと思います。日本語の上達はICUに進学した主な理由の一つでしたので、大きな成果があったと思います。
また、キャリアフォーラムが就職活動の有効な手段であることも学びました。東京キャリアフォーラムで就職先が決まったのですが、ICUの就職相談グループが参加するよう勧めてくれなければ、このようなイベントがあることすら知りませんでした。。就職活動には、新たな手段を積極的に活用することが重要だということも学びました。
JICUF:卒業後のご予定は?
ニコラスさん:ワシントン州にある食品会社の販売担当として働く予定です。私の職務は様々な日本の食品を米国の業者に提供することです。この仕事では日本語を使用するので、ICUで学んだことや日本での経験を活かせます。
JICUF: 最後に一言
ニコラスさん:USSI奨学金を提供していただき、JICUFのスタッフと理事の皆様に心から感謝申し上げます。後に続くUSSIの学生達の活躍も祈っています!
左:栃木県男体山にて/ 右: 富士山山頂の日の出と共に