ICU教授陣が「再生可能エネルギーと大学の役割」第1回ワークショップを開催
5月27日(土)、ICUのエクハルト・ヒッツェル上級准教授(物理学)が中心となり、「再生可能エネルギーと大学の役割」(Sustainable University Development with a Focus on Renewable Energy: SUDre 2017)と題されたワークショップをキャンパスで開催しました。このワークショップは、大学がいかに再生可能エネルギーを通して持続可能な社会に貢献できるかをテーマとし、JICUFはヒッツェル先生に助成金を提供し、開催を支援しました。ハンネス・ヘイミッション駐日アイスランド大使、グッドニ・ヨハネソン・アイスランド・エネルギー庁長官、千歳科学技術大学応用科学生物学科長オラフ・カルトハウス氏、足利工業大学理事長牛山泉(うしやま いずみ)氏をはじめ、著名なゲストスピーカーが多数参加し、運営委員会にはヒッツェル先生の他、木部尚志(きべ たかし)教授(国際関係論)、宮崎修行(みやざき のぶゆき)教授(経営学)、マーク・ランガガー上級准教授(教育学)がICUから参加しました。
ワークショップの各セッションには70名近くが参加し、会議は盛況のうちに終了しました。
ヒッツェル先生に当日のレポートをお寄せいただきました。
「2017年5月27日(土)は明るく晴れた日で、『再生可能エネルギーと大学の役割』に関する第1回ワークショップに参加するため、120名近くの方がICUのキャンパスを訪れました。ワークショップは午前10時から午後9時まで開催されました。企画準備には、国内の6大学の教員9名が半年間携わり、約25名の学生ボランティアも協力してくれました。
ワークショップはハンネス・ヘイミッション駐日アイスランド大使の歓迎の辞と共に開幕しました。大使は、再生可能エネルギーがアイスランドにもたらした恩恵と、エネルギー問題に関するアイスランドと日本の協力関係に言及されました。続いてアイスランドエネルギー庁長官グドニ・ヨハネソン氏が基調講演をおこなわれました。その後、(1)「環境資源の活用:地熱、小規模水力、風力」、(2)「大学資源の活用:バイオマスと廃棄物からの熱と電力」、(3)「太陽の活用:熱と光」と題された3つのセッションで、20名以上のスピーカーやモデレーターが発言しました。
第2セッションの冒頭では、インゴマー・ロッホシュミット駐日オーストリア大使館商務参事官が聖書の創世記1章1節と3節、2章15節を引用され、持続可能性について説明されました。
昼食時には特別交流会が催され、27名の大学関係者が日本の大学への再生可能エネルギーの導入・管理について議論を交わしました。地元業者のオーガニック弁当が供され、3名によるプレゼンテーションがおこなわれました。
休憩時間には、(障害のある方々が勤務する)地元のベーカリー、大沢ハーモニーのマフィンと、フェアトレード・コーヒーやオーガニックのお茶が振舞われ、参加者は活発に交流しました。最後に、木村護郎クリストフ上智大学教授が閉会の辞を述べられ、大沢ハーモニーのピザとおにぎりの軽食を挟んで、河合弘之弁護士監督の最新作「日本と再生」を日英両語で上映しました。その後、河合監督によるお話と質疑応答がありました。
ワークショップは、大学の学生、教員、職員、理事と、地元NPOの職員、市民、研究者、企業関係者、エンジニア、建築家、政府関係者が一堂に会する稀な機会を提供しました。運営委員会を代表して、ご支援いただいたJICUFとJSPS(ドイツ語圏日本学術振興会研究者同窓会)に心よりお礼申し上げます。
ワークショップで明らかになったのは、日本には再生可能エネルギー源が豊富にありながら、他国と比較すると十分に活用されていないということです。進歩的な市民、企業、専門家、エンジニア、研究者、NPO職員、弁護士や学生は、近い将来日本の大学を100%再生可能・持続可能にしたいという現実的なビジョンを共有しています。
学生ボランティアの一人がこのようなコメントを寄せてくれました。『お手伝いできて本当によかったです。仕事量は多かったものの、ワークショップが成功して努力の甲斐がありました。準備期間も、当日も、楽しかったです。… 最終的に参加者が持続可能な大学について見識を深め、満足して帰路につかれたと思います。素晴らしい経験になりました。ありがとうございました。』
SUDワークショップシリーズの詳細についてはブログをご覧ください。」