ICUが第13回Workshop on Altaic Formal Linguisticsを開催
吉田智行上級准教授(言語学)は、第13回Workshop on Altaic Formal Linguistics(WAFL13)をICUで開催するため、昨年60万円のJICUF助成金を受賞されました。1年近くの準備期間を経て、WAFL13は5月25日から28日に開催されました。8カ国から合計100人近く(教員39名、学生60名弱)が参加しました。プログラムはこちら。吉田先生に当日のレポートをお願いしました。
「2017年5月25日から28日にかけて、第13回Workshop on Altaic Formal Linguistics (WAFL)を国際基督教大学で開催した。WAFLは、最先端のアルタイ語の理論言語学的分析を発表する場として国際的に認識されている学会であり、アジアでの開催は2009年の名古屋大学に続き二回めである。(アルタイ語には、日本語、韓国語、トルコ語、モンゴル語などが含まれる。)ICUでのWAFL 13の開催は、日本国際基督教財団(JICUF)の助成金によって可能になったものである。企画委員会を代表して心から感謝の意を表したい。
今回のWAFL 13には、ドイツ、香港、日本、韓国、ロシア、台湾、トルコ、アメリカからの74名の参加者が集まり、すぐれた成果をあげることができた。初日は、韻律に関連する現象についてのワークショップ(4つの研究発表とそれに対する4つのパネルディスカッション)が開催された。二日目からのメインセッションは、日比谷潤子学長の開会の挨拶で始まり、ジャクリン・コーンフィルト氏(シラキュース大学)、窪薗晴夫氏(国立国語研究所)、原由理枝(早稲田大学)による招聘講演、19のメインセッション研究発表、31のポスタープレゼンテーションがプログラム通りに行われた。好意的な雰囲気のなかで活発な議論が交わされ、多くの参加者にとって有意義な学会になったと思われる。全てのセッションが、22人のボランティア学生の協力のおかげで順調に進行された。今回のボランティア学生のほとんどがICUの言語学メジャーの学部生であり、彼らの勤勉な働きぶりを賞賛する学会参加者も多かった。
最後に、企画委員会は2017年5月3日に98歳でご逝去された井上和子元ICUの教授(言語学)にWAFL 13を捧げることにし、5月28日の学会終了後に井上和子先生を偲ぶ会を開いた。井上先生の元アドバイジーと親交の深かった言語学者たちが集まり、それぞれの思い出話と著名な言語学者(ノーム・チョムスキー氏 (MIT)、ウェイン・オニール氏 (MIT)、ノーブン・リチャーズ氏 (MIT)、ジョン・ボイットマン氏(コーネル大学)からの追悼のことばを共有する時間をもった。これに関しては以下のサイトをご参照されたい。https://iculinguistics.wordpress.com/events/kazukoinoue/.」