JICUF助成金スポットライト:ICUハニーチーム
ICUで養蜂を行っている「ハニーチーム」をご存知ですか?JICUFがICU養蜂プロジェクトと出会ったのは2019年のことです。当時の学部生、玉木友貴さんがプロジェクト代表として2019年秋の助成金募集に応募し、審査に合格して助成金を獲得しました。助成金申請書のプロジェクト内容欄には「キャンパス内の有機農場に巣箱を設置し養蜂を行う。収穫した蜂蜜から得た資金を蜂群崩壊症候群 (CCD・ミツバチが大量に失踪する現象で原因は不明) からミツバチを救う活動資金にすると同時に、 ICU の学生が環境問題について考え、行動する機会を生み出す」とあり、助成金は巣箱やその他の設備購入費のために充てられました。
本来は2020年に開始する予定でしたが、コロナ禍で授業全般がオンラインになったため、実際にプロジェクトが始まったのは2021年春でした。授業の一環として藤沼准教授監督の下、巣箱一つから始まったICU養蜂は、地元養蜂家金子裕輝氏の指導・協力を得て、初年度は25Kgの収穫がありました。採れた蜂蜜は瓶詰めにして学園祭で販売、自分達で世話をしたミツバチから収穫した蜂蜜を手にして感激する学生達の様子が目に浮かぶようです。
授業としてのプロジェクトは終わりましたが、ICUの養蜂は有志「ハニーチーム」に引き継がれ、2023年現在、巣箱を6箱に増やして継続しています。JICUF職員が4月にICUを訪れた際にチームの代表を務める野口遼一さん(学部3年生)と副代表の白鳥公賀さん(学部2年生)にお会いして、巣箱の様子を見せてもらいながらお話を伺いました。
JICUF:お二人はなぜ養蜂に興味を持ったのですか?
野口「子供の頃からアリなど集団で生活する昆虫が好きで、観察していました。ICUに入って学内で養蜂をやっていると聞き、これはもうやるしかない、と迷わず参加しました。」白鳥「私は単純に蜂蜜が好きで、新鮮な蜂蜜が食べられる!と思って参加しました。」観察・飼育に興味がある野口さんと食べたい白鳥さん、絶妙なチームワークですね。
JICUF:チームの仕事は何ですか?
野口:ミツバチが活発に活動する春から夏はこまめに巣箱を点検する必要があります。巣箱の全滅に繋がるダニがいないか、スズメバチの襲撃はないか、第二女王蜂が生まれて巣の分離が起きていないか、などをチェックします。学期中は良いのですが、登校しない夏休みは大変です。メンバーの日程をやりくりして点検スケジュールを組まなければいけませんので。冬期は防寒のために巣箱をシートでくるんだり、巣箱の入り口を冬用に加工したり、エサ不足にならないように砂糖水を置く作業があります。
JICUF:収穫した蜂蜜は大学への寄付者に贈呈されるほか、学園祭で販売しているそうですが、評判はいかがですか?
野口:嬉しいことに学園祭ではすぐに売れ切れになるほど評判が良いです。蜂蜜がなくなった後に訪れた外国人のお客さんに「あなた達の蜂蜜を買うために学園祭に来たのに、とても残念!」と言われ、申し訳ないと思いつつ嬉しかったです。養蜂を通じて自分でつくったものを売る喜びを体験できたのも大きな収穫でした。
JICUF:今後の目標は?
野口:現在、養蜂に参加している学生は5〜6人です。他の学生にもっとICU養蜂のことを知ってもらってチームのメンバーを増やしたいです。ハチに刺されるのが怖い、と思う人が多いですが、彼らの習性を学んで対応すれば全然大丈夫です。ミツバチは可愛いですよ。(と語る野口さんの後ろで防護服無しの白鳥さんが巣箱の入口に接近して、写真インターンの齋藤さんから借りたカメラでミツバチを接写中。周囲をブンブン飛び回るミツバチも全く気にする様子無し。「全然大丈夫」な様子を実際に見せてもらいましたが、時には刺されることもあるそうです。)
収穫量を増やすのも目標です。蜂蜜の売り上げを増やして新しい巣箱や資材の購入に充て、ICU養蜂を自立安定させたいと思っています。また、ICUに来るミツバチは基本的には外来種のセイヨウミツバチですが、昨春ニホンミツバチがやって来ました。チーム皆で喜んだのですが、何かが気に入らなかったらしくて、プイッといなくなってしまいました。彼らに戻って来て欲しくて、彼ら用の巣箱を手作りするなどして研究を重ねています。
1万年前に既に始まっていたと言われる養蜂は、植物とミツバチ→ミツバチと人間→人間と植物の関係が輪になった実にサステナブルな活動です。ICUキャンパスの奥深く、菜の花が咲き乱れる秘密の花園であなたも養蜂に参加してみませんか?
ハニーチーム連絡先:icuhoneyproject@gmail.com