JICUF職員とICU・早稲田の学生がカナダで”Students as Partners”会議に出席
3月30日(木)から4月1日(土)まで、ICU教養学部3年生の平田ひかりさん、早稲田大学博士課程に在籍するスザン・フセイニさん、JICUF副代表の髙田亜樹の3人が、カナダのウィルフリッド・ローリエ大学で開催された”Students as Partners: Equipping Student Leaders as Partners for Sustainable Humanitarian Action”(パートナーとしての学生:持続可能な人道活動における学生リーダーの育成)と題された会議に出席しました。この会議は、学生リーダーが高等教育機関と協力して、持続可能な人道支援イニシアチブを実施する方法を探ることを目的とし、同大学の学生組織であるInternational Students Overcoming War(ISOW)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が共同で企画しました。
参加者は、世界各国の学生、大学関係者、研究者、NGOスタッフ、UNHCR職員などでした。学生参加者には、自ら戦争の影響を受けた学生と、彼らを支援するイニシアチブに携わる学生の両方がいました。日本からの参加者は、上記3人のみでした。3日間に渡って行われたパネル・ディスカッションや高度にインタラクティブなワークショップでは、人道支援における高等教育機関の役割、学生リーダーシップの重要性、学生リーダーが直面する課題とそれらを克服する方法などが議論されました。髙田副代表は、”Humanizing Higher Education through Civic Engagement”(市民社会への働きかけを通じた高等教育のヒューマニゼーション)と題されたパネルに参加し、ウィルフリッド・ローリエ大学のギャビン・ブロケット博士及びデイビッド・マクマレイ氏、ギルフォード大学(米国)のカイル・ファームブリー博士、バード大学(米国)のエリン・キャナン氏と意見交換しました。全プログラム及び登壇者のリストはこちらでご覧いただけます。
JICUFは2017年から人道支援活動に深く関与してきました。それは、JICUFがシリアの学生のための奨学金プログラムである「シリア人学生イニシアティブ(Syrian Scholars Initiative: SSI)」を開始した年でした。JICUFの課題の一つは、ICUの一般学生を動員し、シリアの学生たちが日本での生活の立ち上げと、社会参加の手助けをしてもらうことでした。SSIは、難民の背景を持つ学生を支援するICUで初めての奨学金制度であったため、そのような学生をサポートする既存の学生団体はありませんでした。そのため、JICUFは最初、中東文化研究会の学生たちに声をかけました。その結果、複数の学生が、三鷹市役所での住民登録や銀行口座の開設、携帯電話の契約や自転車の購入などを手伝ってくれました。2022年には、中東文化研究会のメンバー数名が、日本人学生と留学生の交流促進に関心を持つ他の学生たちと共に、”Culture and Diversity in Japan (CDJ)”(instagram: @cdj_icu)という新しい団体を立ち上げました。 難民の背景を持つ学生の支援は、CDJが引き継ぎました。
2022年5月に日本・ウクライナ大学パスウェイズ(JUUP)プログラムがICUで開始されてから、CDJはウクライナの学生の支援も行っています。これまでに、シリアとウクライナの学生たちのために、歓迎会、日帰り旅行、お花見、そして定期的な昼食会などを開催してきました。
JICUFが学生代表と共にこの会議に参加した目的は、世界の他の機関がどのように学生を動員し、リーダーシップを発揮させ、学生によるイニシアチブを維持しているかを学ぶことでした。日本の高等教育機関にとって、難民学生の受け入れは比較的新しい取り組みであり、経験豊富な他国の事例から吸収できることは多いはずだと考えました。また、日本の事例を各国からの参加者に紹介することも参加目的の一つでした。
JICUFは、中東文化研究会を通じてSSIの学生たちの支援に関わり、その後CDJの共同リーダーになった平田さんをこの会議に招待しました。平田さんが、会議から得た教訓についてまとめたレポートはこちらです。また、難民の背景を持ち、NGO・パスウェイズ・ジャパンが実施する日本語学校プログラムを修了後、教育パスウェイズについて博士研究を行っているフセイニさんにも声をかけました。パスウェイズ・ジャパンは、JICUFと共にSSIとJUUPを実施するパートナー機関です。JICUFは現在、日本で大学・大学院進学を目指す難民学生のための重要な準備プログラムとして、日本語学校プログラムに資金を提供しています。フセイニさんは、日本にいる難民が直面している苦難についての認識を高め、新しく日本に来た人や既存の難民を支援することを使命とする新しい大学間組織、EmPATHyの副代表を務めています。スーザンによる会議の詳細なレポートはこちらです。
CDJまたはEmPATHyの活動に関心のある学生の皆さんは、平田さんとフセイニさんにお問い合わせください。また、CDJの代表メールはこちら、EmPATHyの代表メールはこちらです。