JICUF職員がベルリンで難民高等教育支援に関する会議に出席
6月18日及び19日、JICUFアソシエイト・ディレクターの髙田亜樹がドイツ・ベルリンで「The Other 1%: Refugees at Institutions for Higher Education Worldwide (もう一つの1% – 世界の高等教育機関で学ぶ難民)」と題された会議に出席しました。この会議はドイツ外務省、ドイツ学術交流会(DAAD)及びUNHCRが、6月20日の世界難民の日に合わせて共催しました。会議の目的は、2018年12月に採択された難民に関するグローバルコンパクトに基づき、難民の高等教育へのアクセスを拡大するために行われてきた努力を振り返ると共に、今後の課題について討議することでした。
現在、高等教育を受けているのは難民のわずか1%ですが、UNHCRはこの割合を2030年までに15%に増やすことを提唱しています。この会議では、フィリッポ・グランディ国連高等難民弁務官はじめ著名なスピーカーが、難民を保護国のコミュニティの一員として受け入れる上で高等教育が果たす役割の重要性を強調しました。出席者全員が、難民がホストコミュニティの自立したメンバーとして豊かな人生を送るためには、高等教育が不可欠であるとの認識で一致しました。
2日間にわたって開催された会議にはおよそ250名の専門家が出席しました。その約半数がドイツの外務省、DAAD、大学やNGOの職員で、残りはヨーロッパ、北米、アフリカ、中東の多様な組織の代表でした。
会議の内容はドイツ政府が90%の資金を提供する難民のための奨学金プログラム、DAFI(アルバート・アインシュタイン・ドイツ学術難民イニシアティブ)が中心でしたが、2日目には複数のワークショップが開催され、DAFI以外のプログラムを実施する諸機関との議論や情報交換が行われました。
東アジアからの唯一の参加者であった髙田は、「財政モデルと戦略的パートナーシップ」と題されたワークショップにパネリストとして参加し、ICUで実施しているシリア人学生イニシアチブを紹介しました。ドイツ外務省のマルティン・トューメル氏がモデレーターを務め、髙田の他にウガンダでDAFIを運営するNGO、Windle International Ugandaのユーニス・アケロ氏、世界各地の教育プログラムに資金提供するEducation Cannot Waitのマイケル・コーリン氏がパネリストとして登壇しました。
6月19日に発表されたUNHCRのグローバル・トレンズ 2018によれば、2018年には強制的に住む場所を追われた人は230万人増えて7,080万人になりました。その約半数は18歳以下で、高等教育へのアクセス拡大が緊急の課題であることがわかります。JICUFは今後もこの分野で貢献する方法を探っていきます。