Rethinking Peace:Discourse, Memory, Translation & Dialogue出版
JICUF、ICU、ラトガース大学の虐殺・人権研究センターが共催したRethinking Peace Studiesプログラムの集大成として、Rethinking Peace: Discourse, Memory, Translation & Dialogueが出版されました。ラトガース大学のアレクサンダー・L・ヒントン教授、ICUのジョージアンドレア・シャーニー教授、ジェレマイア・オルバーグ教授が共同編集しました。
Rethinking Peace Studiesプログラムの下、2014年から2016年にかけて日本、米国、スリランカで3つのセミナーと最終会議が開催されました。
この本は「平和研究の分野を批判的に分析し、その前提、目的論、規範、影響、権力構造との関わりや偏向などを考察」するもので、各セミナーに参加した研究者が執筆した14章で構成されています。
マカレスター大学のデービッド・ブレーニー教授は以下の批評を寄せています。
この重要な本は、「平和研究が国家を含むリベラル・モダニティに関わるからといって拒絶するのではなく、研究・実践において見落とされがちな空間や声から平和構築の資源を拾い上げるよう努めるべき」というアシス・ナンディの主張を実践するものです。ナンディが「飼いならされていない」声と呼ぶ主張は学会や国際組織にいる者には聞こえにくいものの、Rethinking Peaceは平和を再考する際、変換(translation)と対話の可能性と課題を中心に据えています。平和研究に携わる全ての人に、教訓として、また希望の源泉として、この本をまず読んでもらいたいと思います。
4月26日にはラトガース大学で、5月8日にはニューヨークのニュースクール大学で、そして秋にはICUで出版記念イベントが開催される予定です。この本が世界中の平和研究プログラムにおいて読まれることを願っています。