2017年国際人道法模擬裁判大会でICU生が優勝
12月2日(土)、3日(日)に早稲田大学で開催された2017年度国際人道法模擬裁判大会(主催:赤十字国際委員会駐日事務所、言語:英語)において、ICU生の山﨑千鶴(教養学部4年)さんが率いたチームが優勝しました。
この大会は、2010年から毎年開催されていて、各出場チームが、武力紛争下における諸事象に関わる設定問題に対し、検察側と弁護側に分かれて弁論します。今年の参加大学は本学のほか、愛知県立大学、京都大学、東京大学、同志社大学、一橋大学、横浜市立大学、早稲田大学で、山﨑さんは東京大学の学生とチームを組み参加しました。
山﨑さんを2016年春から指導してきたのは松田浩道助教(法学)です。松田先生は昨年、ICUの学生が複数の模擬裁判大会に出場するための費用をJICUFに申請し、JICUFから681,000円の助成金を受賞しました。この助成金を利用して、ICUチームは今年3月には第12回宇宙法模擬裁判大会、7月上旬にはジャパンカップ、同月中旬にはジュネーブでネルソンマンデラ人権法模擬裁判大会に出場しました。さらに、松田先生はJICUFの客員研究員プログラムを通して、今年10月下旬から11月にかけてカナダ法務省から弁護士のスンキュン・チョイ氏を招聘し、学生たちはチョイ先生から弁論指導を受けました。こうした一連の経験が、今回の大会での成功につながったといえます。
山﨑千鶴さんのコメント:
「日本にいて、かつ恵まれた環境で日々を送っていると、平和ではない環境で生きている人々のことを時々忘れそうになります。赤十字国際委員会(ICRC)駐日事務所主催で開催された今回の国際人道法模擬裁判の参加によって得たものは多くあります。まず一つに生きた法に触れられたことです。そして、次に沢山の判例に触れ、これだけの人が戦争犯罪の犠牲者になってきたことを知り、そういった状況を打開するためにICRCを始め、国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国際刑事裁判所(ICC)など、多くの方面からの救済アプローチがなされていることを再度、強く、認識できたことです。
また、今回の模擬裁判大会の準備段階においては、この分野の最前線で活躍されているICUの同窓生でもある国連国際法委員会の村瀬信也先生(1967年卒業)をはじめ、カナダ人弁護士のスンキュン・チョイ先生、中国人民大学法学院の朱文奇教授などと議論させて頂くこともでき、大変刺激を受けましたし、非常に光栄でした。
平和の理念のもとに設立されたICUの在学生として、準備期間を含めたこの3ヵ月の経験は平和を知る上で非常に大切な時であったと実感しています。本当につらい時もありましたが、大会を十分に楽しむことができました。この場を借りて、関係者の皆様には改めて感謝を致します。ありがとうございました。」
山﨑さん、松田先生、おめでとうございます!
(この記事は、2017年12月6日付のICUニュースにJICUFが一部加筆したものです。)